平成22年度の『平泉文化フォーラム』が、今年は2日間にわたって開催されました。
奥州市の胆江地区勤労者教育文化センターを会場に、約400人もの来場者がいらっしゃいました。
盛岡市から大型バスで来場された団体ツアーは、募集後すぐに申し込み〆切となってしまい、キャンセル待ちも出たということです。
平泉文化フォーラムは、岩手県と、岩手大学を始めとする県内5大学で構成される「いわて高等教育コンソーシアム」によって、共同で毎年開催しています。

田辺征夫先生の基調講演

田辺征夫先生は、国立文化財機構奈良文化財研究所所長をつとめられ、一方では、長年にわたって平泉遺跡群調査整備指導委員会の委員として、発掘調査や史跡の整備にご指導をいただいています。

今回の基調講演では、『遺跡を活かし、今に伝える -平城宮の復原整備と柳之御所遺跡』と題し、平城宮跡の調査・整備の歴史と、昨年公開された「大極殿」の詳細、そして柳之御所遺跡整備の今後の展望についてご講演されました。

発掘調査報告

基調講演のあと、柳之御所遺跡の整備・調査状況の発表をはじめ、平泉町の無量光院跡、中尊寺大池跡、奥州市の長者ヶ原廃寺跡、白鳥舘遺跡、一関市の骨寺村荘園遺跡の調査成果が報告されました。

研究報告

平泉文化に関わる研究報告として、歴史・文献調査・自然地理学・出土遺物の化学分析等、さまざまな視点からの研究成果と中間報告が行われ、会場の方からも「歴史にとどまらず多方面からの研究成果を聞くことができて、大変興味深かった」との感想をいただきました。

会場での展示

今年度の調査成果として、遺跡のパネル紹介や、代表的な出土遺物の展示が行われました。

会場での展示 [114KB]

熱心に遺物を観察する方が多く見られました

県内はもとより、お隣の宮城県からも多くの来場者がありました。特に当日は時折吹雪く状態で、足元が悪い中にもかかわらず、多数の方々がおいで下さいました。
この場を借りて、心から厚くお礼申し上げます。
今後もさらにより良いものとしていきますので、次回のフォーラムもご期待下さい。

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