平成30年度の『平泉文化フォーラム』が、2月2日・3日の両日、江刺体育文化会館ささらホール(奥州市江刺)を会場に開催されました。
当日は厳しい寒さの中にもかかわらず、2日間で延べ約350人の方々にご来場いただきました。
平泉文化研究の先端的研究成果を公開する場として開催されている『平泉文化フォーラム』も今年で19回目を迎えました。
今回も、最新の研究成果や、平泉関連遺跡の発掘調査の成果について報告いただきました。
会場の江刺体育文化会館ささらホール
開会行事のようす
当日の配布資料(レジュメ) [48723KB]
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清水真一先生の基調講演
基調講演の様子
基調講演の様子
清水真一先生(徳島文理大学教授)は、社寺建築・民家等の調査研究を進めるとともに長年にわたり平泉の世界文化遺産登録や平泉遺跡群の調査・整備に尽力していただいております。
今回は、『世界遺産平泉の保存管理に向けて - アジアの都市遺産・仏教遺跡の課題と取り組みから - 』と題し、アジアの都市遺産・仏教遺跡が直面している保存管理の課題や取り組みを紹介しながら、平泉の今後の保存管理のあり方はどうあればよいかについてお話しいただきました。
共同研究報告
平泉文化に関わる研究の報告として、7名の方(6本の報告)に発表していただきました。歴史・文献調査から、出土遺物の科学分析報告や詩歌などの様々な視点からの報告に、会場にいらした方々も興味深く耳を傾けていらっしゃいました。
寝殿造における遊興空間と装束による演出 -藤原頼通期から院政期まで-(赤澤真理:岩手県立大学、伊永陽子:文化学園大学森田直美:日本女子大学)
中尊寺金銀字一切経のルーツについて -東アジアの視点から見た中尊寺の金銀字経(その3)-(劉海宇氏:岩手大学平泉文化研究センター)
柳之御所遺跡の砂金は蝦夷ヶ島の砂金か?(中村和之、山本けい子:函館工業高等専門学校)
藤島亥治良郎と平泉研究 -内包された東アジアの視点-(渡辺健哉氏:東北大学)
平泉の景観と変遷(佐藤健治氏:文化庁文化財部)
増幅するイメージ -西行「衣川」詠の成立と享受について-(荒木優也氏:國學院大學)
発掘調査報告
それぞれ、新たな発見や、来年度の調査につながる成果が報告されました。
今年度も県内外から多くの方々に参加していただきました。会場からの質問も活発に行われ、有意義なフォーラムとなりました。
来年度のフォーラムは第20回となります。この10年のまとめとしてテーマ別に設定した形でのフォーラムを考えています。「第20回平泉文化フォーラム」は、平成31年11月30日(土)一関文化センターを会場に開催予定ですので、またいらっしゃってください。