平成12年度から継続して開催してまいりました『平泉文化フォーラム』が今年度で20回目の記念大会を迎えることができました。11月30日(土)に一関文化センター中ホールで開催し、約300人の来場者を迎え、盛大に開催することができました。まことにありがとうございました。

今年度は令和最初のフォーラムということもあり、大会テーマを「平泉研究 -平成から令和へ、課題と展望-」として、これまでの20回のフォーラムを振り返るだけでなく、「平成」30年間の平泉研究を振り返る、という内容で開催しています。柳之御所遺跡の発掘調査に始まり、保存運動への展開、そして世界遺産への登録、そしてさらなる拡張登録への取り組み、と参加者の皆様も興味を持って聞き入っていたようです。

基調講演では平泉遺跡群調査整備指導委員会委員長であり、長年にわたり平泉の世界遺産登録や平泉遺跡群の調査・整備に御尽力いただいてきた田辺征夫先生に「日本の遺跡保存と活用、この30年 -世界遺産"平泉"誕生の意義に寄せて-」の演台で御講演いただきました。

また研究報告として4人の先生方から貴重な報告をいただきました。

  • <報告1> 「柳之御所遺跡等の発掘調査成果」 北村忠昭氏
    (公財 岩手県 文化振興事業団 埋蔵文化財センター 文化財専門員)
  • <報告2> 「世界遺産 ―平泉と宇治―」 杉本宏氏
    (京都造形芸術大学 教授)
  • <報告3> 「書き換えられた東北の古代・中世 ―柳之御所30年の成果―」吉田歓氏 
    (山形県立 米沢女子短期大学 教授)
  • <報告4> 「アジア史の新たな展開 ―平泉の歴史的意義―」 渡辺健哉氏
    (大阪市立大学 准教授)

午後の休憩後はパネルディスカッションを行い、熱心な議論が交わされました。
来年度以降については、新たな形での研究とフォーラムのあり方を現在検討しているところです。方向性が固まりましたら、HP上でもご連絡いたします。