世界遺産委員会知事スピーチ

平成23年6月19日から29日までフランスのパリで開催された第35回ユネスコ世界遺産委員会において、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の審議が行われ、現地時間6月25日17時50分(日本時間6月26日0時50分)に世界遺産登録が決定しました。
 登録決定に際し、政府代表団の一員として出席した達増知事が壇上において御礼のスピーチを行いました。

(以下、本文)

議長
大使、
ご列席の皆様

3月11日の大震災で最も厳しい被害を受けた地域である岩手県の知事として、まず東北の人々を代表して、われわれに頂いた皆様の暖かい同情のお気持ちと大きなご支援に感謝を申し上げます。

そしていま、平泉を世界遺産リストに登録して頂いたことに対し、世界遺産委員会に御礼申し上げます。平泉の登録はわれわれの長年の夢でした。

平泉は12世紀に、悲惨な戦争の惨禍から立ち上がり、永続的な平和を打ち立てるために建設されました。創設の父たちは、シルクロードを通って外国から導入された種々の思想を役立てました。

したがって平泉の登録は、平泉の建設のもともとの理念に立ち返りながら、3月11日の惨禍からの復興という途方もない任務に現在直面している私たちに対し、大きな勇気を与えてくれるものです。

われわれの前に立ちはだかる課題は容易なものではありません。しかし本日の登録が私たちに与えてくれた力は、私たちが外国からのご支援と勇気付けに対して開かれている限り、必ずや目的達成に成功するであろうことを物語っています。

私が本日感じている歓喜と皆様への感謝の念は、必ず将来の世代に受け継ぎます。それにより平泉の遺産をしっかりと保全していくことができるでしょう。

議長、ありがとうございました。
委員会の委員の皆様、ありがとうございました。
すべての加盟国の皆様、ありがとうございました。
そして、
イコモスの皆様、ありがとうございました。